研究室紹介

 石川研は2020年4月に誕生した新しい研究室です。研究テーマとして「次世代無線通信」を掲げ、無線通信全般に関して萌芽的な技術を中心に探求しています。高速移動体通信や省電力技術に一定の実績があり、新しいアイディアの提案とその解析により積極的な論文発表を目指しています。

 近年の主要研究テーマ:高速移動体通信, 耐量子物理層セキュリティ, 無線通信の量子加速.

配属・進学希望の方へ

 当研究室に進学を希望する場合は募集要項に記載があるように学内外を問わず必ず事前に連絡をお願いします。 基本的には「無線通信技術」を強みとしている研究室ですが、石川は通信工学と情報工学の両方にバックグラウンドを持つため、比較的柔軟なテーマ設定が可能です。一緒にYNU WIRELESS、横国の無線分野を盛り上げませんか?

研究室配属・進学Q&A

ニュース

  • 2021/06/26 オープンキャンパスにて小原研、関口研、水野研とともに当研究室の見学会が実施され、約60名の方にお越しいただきました。ご来場ありがとうございました。
  • 2021/06/15 M2大塚君の筆頭論文が国際会議CISIS 2022に採録されました。9月にスペイン・サラマンカにて口頭発表します。
  • 2022/06/09 JST新技術説明会にて「量子計算機による高次二値最適化問題の求解と無線応用」という題目で講演しました(JST
  • 2022/05/31 M1法本君の筆頭プレプリントが公開されました (arXiv)
  • 2022/05/27 M2佐野君の「QUBO問題の高次自動変換による量子ビット数削減技術の開発」プロジェクトが2022年度未踏ターゲット事業「ゲート式量子コンピュータ向けソフトウェア開発」に採択されました(採択金額:360万円)。(IPAウェブサイト
  • 2022/05/24 石川准教授が国際チュートリアル講演会SmartCom Virtual Workshop #2にて「Fundamentals of Quantum Speedup for Wireless Communications」という題目で講演しました(slides
  • 2022/05/13 スマート無線研究会にて「[依頼講演]無線通信と量子計算の数学的類似性および最新の応用研究動向」という題目で講演しました。(発表プログラム / 発表資料
  • 2022/05/10 石川准教授の総合大会における弾丸プレゼン動画「08 無線通信の量子加速」がYouTubeで公開されました。(YouTube動画
  • 2022/04/30 石川准教授がIEEE Senior Memberに昇格しました。
  • 2022/04/25 時変性ユニタリ行列に基づく非正方差動符号化方式の性能解析に関する共著論文がIEEE Wireless Communications Lettersに採録されました。
過去のニュース一覧はこちら

無線通信の量子加速

 半導体の微細化限界が迫っています。通信路容量には物理的限界があることを踏まえると、通信技術が社会の需要に応えられなくなる日がいつか来るかもしれません。石川研では、量子加速が理論的には証明されているグローバー適応探索に注目し、一部の無線信号処理や無線最適化問題を量子加速できないか試行錯誤しています。無線の研究室なのに量子計算の研究というのは飛躍しすぎではないか?と思われたかもしれません。実は、無線信号処理と量子回路は数学的に酷似する構造があり、学問の奥深さを実感できるのがこの研究の面白いところです。YouTube動画 関連資料

耐量子物理層セキュリティ

 Wi-Fiネットワークでは周囲に飛び交っているディジタル情報を第三者が容易に観測できます。もちろん、上位レイヤで高度に暗号化されているため信用して通信できますが、この安全性が未来永劫にわたって保証されているわけではありません。まだ実機では小さい整数に限られていますが、量子アルゴリズムを用いると多項式時間で因数分解でき、素因数分解の困難性に頼っているRSA暗号の安全性を脅かしています。社会の安心・安全を支えるため、無線通信路から抽出した真性乱数を活用し、物理層においてもセキュリティを高める技術について研究しています。

自動運転社会に向けてより快適な情報通信を

 バス、電車、新幹線や、飛行機、ドローンなどで無線端末が速く動くと、電波伝搬環境の急速な変化やドップラー効果が通信品質に悪影響を及ぼします。これらの課題を緩和するため、石川研では「非正方差動符号化」という独自技術について研究しています。5Gにも採用されたミリ波通信の性能改善が期待されている一方で、エラー伝搬などの課題を抱えており、なかなか一筋縄では行かないのがこの研究の面白いところです。

軽いのに高性能な無線通信技術

 一般に通信方式の演算量と性能はトレードオフの関係にあります。二兎を追う者は一兎をも得ず。しかし、二兎を追って二兎を得ることは本当に不可能なのでしょうか?無線通信分野では、演算量を減らせるにも関わらず性能を改善可能な(場合がある)新方式が国際的に大きな注目を集めています。石川研では数理最適化や機械学習の分野で培われた技術を活用し、一定制約下での達成性能限界を解明、二兎を得ようと試行錯誤しています。

Wi-Fiモニタリングで無線をもっと便利に

 Wi-Fiネットワークでは周囲に飛び交っているフレーム情報を第三者が容易に観測できます。これを利用し、多数あるアクセスポイントそれぞれについてその通信品質を高精度に推定する方式について研究しています。

超並列テンソルプログラミング

 最新のGPUでは100 TFLOPSを超える高速なテンソル演算が可能となっています。この特性を活かし、基地局やアクセスポイントで動く新しい通信ソフトウェアの開発を目指しています。

オープンソースソフトウェア・オープンデータ

 Clarivate Analyticsの調査によると「世界で最も引用された平成時代の日本の論文」上位20編にソフトウェアおよびデータベースに関する論文が7編ランクインしています。石川研では論文中の結果を再現するために必要なソースコードやデータベースを可能な限り公開しオープンイノベーションを推進します。石川研の公式GitHubアカウントはこちら。

日本のIEEE論文まとめサイト

 日本発のIEEEジャーナル・マガジン論文をリストとして公開しています。1954年から現在に至るまでの論文が収録されているため、日本国内で実施されてきた研究の変遷や、分野ごとの研究者人口の偏り、各分野で世界的に著名な国内在住研究者、日本の研究プレゼンス等を把握するのに役立ちます。オープンデータのDBLPを用いて全自動で集計していますが、公開前に人の目で最終確認を行っているため、更新頻度は1年に1回程度です。

WiPhy

 無線通信分野で注目を集めている様々な最新技術を再現・検証できるPythonパッケージです。GNU Radio等とは異なり、多くの処理がテンソル演算として記述されているため、実行速度の点で不利なPythonでも高速な動作を実現しています。MIMO/OFDMに関連する代表的手法の実装例を多く収録しています。

IMToolkit

 インデックス変調に特化したPythonパッケージです。同方式ではMある要素からK個を選ぶパターンによって性能が大きく変わりますが、その最適解を560MB分収録しています。現時点でMが20以下の場合は100%、Mが32以下の場合は75.5%のパラメータに対応しています。

アクセス

 教員室は電子情報工学棟3階の309号室、学生居室は308号室です。 電子情報工学棟の入り口はこちらです。入ってすぐのところに案内板があります。
 公共交通機関をご利用の場合は横浜駅西口発のバスに乗るのが最も楽です。相鉄バスの「浜11」は比較的本数が多く、横浜駅西口9番乗場から横浜国立大学北門近くのバス停「ひじりが丘」まで約15分です。その他、本数は少ないですが、相鉄バス浜10(横浜駅西口10番乗場)および横浜市営バス201/329系統(横浜駅西口14番乗場)は電子情報工学棟の真北にあるバス停「国大北」まで行くため最も歩行時間が短くなります。お帰りの際はキャンパス内にある「国大北(南側、北側の順で2回停まる)」もしくは「ひじりが丘」発の浜11が便利です。バスの現在位置は相鉄バスナビ横浜市交通局運行・接近情報でリアルタイムに更新されます。
 タクシーをご利用の場合は「横浜国立大学の正門から入って二つ目のバス停まで道なりにまっすぐ」とお伝えください。「日本交通」と「メトロタクシー」の営業所が正門近くにあります。「平和タクシー」も多く見かけます。キャンパス周辺に流しのタクシーが多く走っているため、配車アプリを使うとすぐに来てくれます。

連絡先

所属:横浜国立大学大学院 工学研究院 知的構造の創生部門
担当:理工学府 数物・電子情報系理工学専攻 電子情報システムユニット
兼務:理工学部 数物・電子情報系学科 電子情報システム教育プログラム
住所:〒240-0067 神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台79-5 電子情報工学棟 教員室309号室 / 研究室308号室
氏名:石川 直樹
メールアドレス:ishikawa-naoki-fr [at] ynu.ac.jp